ケアマネージャー変更は悪ですか?

在宅医療・介護について

 

在宅介護や在宅医療をしていくにあたって、欠かせない存在であるケアマネージャー。(以後ケアマネ)

ゆず
ゆず

私もいつも大変お世話になっております!

ケアプランの作成・利用者とサービス事業者間の調整、利用者宅へ通い都度状態把握、電話対応などなど利用者やそのご家族と密接に関わり、いなくてはならない存在です。

ですが、やはり
ひと対ひとの関わり合いなため、関係性が上手くいかないケースもあります
(もちろん訪問看護でもあります!!)

訪問していると「ケアマネと合わずどうしたらいいか…」と相談される事も。
その中で多く口にされるのは「合わないけど自分たちが我慢すればいいだけ。違う人に変更してほしいなんて言えません…」とモヤモヤを抱え、悩まれている利用者やご家族をお見受けします。

 

そこで今回は実際にあった例をお伝えしていこうと思います。

 

 ~こんな方に読んでほしい~

・自分もモヤモヤを抱えているがどうしたらいいか分からない人
・変更するにあたってポイントを知りたい人
・変更手順を知りたい人

 

 

 

 

 

義理の父・母を介護しているキーパーソンのAさん。
旦那と娘(精神障がいあり介助が必要、休日のみ家で介護している)の同居5人暮らし。

 

義父
・腎不全(G4)だが透析導入希望なく対処療法中。脳梗塞後で歩行不安定だが、なんとか1人でトイレに通っている。
・屋内で転倒が増えてきた。
・服薬セットすれば内服は自分で出来る
・要介護1
・デイ週2回利用(入浴も)
義母
・パーキンソン病、変形性膝関節症で屋内ではほぼ這って移動。屋外はシルバーカー、車椅子介助必要。
・幻聴・幻視あり
・服薬介助必要
・要介護3
・サービス利用義父と同様。

 

Aさんは仕事もしているが、旦那は仕事で朝早く夜も遅いため介護と家事、娘の介助もほぼ一人で行っている状態。

Aさんの中で「トイレへ完全に1人で行けなくなったら施設に入ってもらう」と在宅介護終了のボーダーを決めていたが、義父と義母は「なるべく家にいたい」と強く希望。

今までは一人でなんとか介護を行ってきたが、義両親の介助量が増えてきており疲労困憊状態。今後の不安もあり悩んでいた為ケアマネに都度相談していたが…

 

Aさん
Aさん

介護量が増えてきて仕事との両立も大変です。でも、本人たちは家にいたいと言っているしどうしたらいいでしょう…

 

ケアマネ
ケアマネ

本人たちは家にいたいとはっきり言ってます。私も母の介護を両立しながらしてましたよ。仕事の間に様子見に行ったり。

 

相談してもケアマネは「私は仕事と介護をこうやって両立していた」と自分の話になる事が多く、サービス調整の提案もほぼなかったようです。
ましてや、Aさんが仕事でいない日に在宅訪問をし義母と義父に「Aさん介護も大変になってきて施設も考え始めているらしいけど、家にできるだけいたいですよね」と勝手に話をしていたようです。

今後どうしたら良いかを相談していただけなのに、勝手に「施設」というワードが先走りになっており、ケアマネが来た日の夜Aさんが帰宅すると義両親から

「お前俺たちに隠れてこそこそ施設に入れる話をしていたのか!!!」
と激怒されたようです。

 

Aさん
Aさん

ケアマネと話していると何故介護と仕事を両立できないのかと責められている感じがするのです。施設の事も勝手に話をされて義両親からも悪者扱い。もう辛いです…

 

この時点では訪問看護導入を検討されている状態でしたが、知人の勧めもあり訪問看護の導入を決意され介入開始となりました。

介入開始後現状を詳しく教えて頂き、Aさんの負担が大きすぎるためサービス調整を開始。ケアマネと話すのも負担に感じている様子であったため、看護師主体でAさんと相談しながらサービスを考案。その後ケアマネに報告し各事業所への調整を行って頂きました。(ここでは詳しいサービス調整内容は省きます)

 

ケアマネの変更に対し

Aさん
Aさん

変更してほしいなんて言ったらクレーマーだと思われませんか?

私が我慢すればいいので…

急に変更したら義両親も不振に思うかもしれない…

 

と初めはケアマネ変更に対して消極的でしたが、訪問看護が介入となりケアマネ以外に在宅についての相談が出来るようになると、自分の置かれている状況を客観的に捉えることができ「介護している家族にも寄り添ってくれない方に対して、このまま先お願いしつつけるのは不安です。ケアマネ変更をお願いしようと思います」と気持ちの変化があったようでした。

 

 

では実際に変更するにあたってポイント5つをご紹介します。

 

1.なぜ変更したいと思ったのかを簡潔に具体的にまとめておく。

 

新しい担当を決めるにあたって、前任の何が不満だと感じたのかをはっきりさせておく必要があります。新しくケアマネを決めるための指標ともなります。

どうしてもモヤモヤを溜めたままだと、感情的になってしまい要点が伝わりにくい場合があるので、事前にまとめておくことをおススメします。

 

Aさんの場合は…

・家族の介護負担に寄り添ってくれない
・サービス提案がない(知識不足)
・Aさんに連絡がない状態で訪問し、認知力が低下している本人たちのみにサービスやケアプラン継続などの説明・判を押させていることが多かった。
・電話相談すると気怠そうな態度をされる

などでした。

2.事業所は変えずケアマネの担当だけ変更したいのか、事業所も変更するのかを検討。

 

事業所に複数名ケアマネが在籍している場合は、担当者のみ変更してもらうこともできます。その場合は事業所の所属長に相談してみてください。

ゆず
ゆず

Aさんの場合はケアマネさん単体だけではなく、事業所全体的に良い噂がないため事業所ごと変更としました。

 

3.変更したい事業所があれば情報収集や打診

 

自分でどのような事業所があるか探しても良いですが、かなり難しいと思います。
その場合は、

・市区町村の介護・福祉課相談窓口
・地域包括支援センター
・ケアマネが所属する居宅介護支援事業所

へ相談してみて下さい。

ゆず
ゆず

ヘルパーや訪問看護などの居宅系サービスはケアマネさんの色々な情報が入ってきやすく、詳しいと思うのでどこの事業所がおススメか聞くのもありだと思います!

 

Aさんの場合は万が一の際に施設入所できるよう申し込みを行っていました。その施設のケアマネに新規で依頼できないかを打診した所、お引き受けしていただけるとの返答がもらえました。

 

 

4.ケアマネを紹介してもらった所へ変更をしたい旨を伝える
 (この際に変更先の希望があれば伝えましょう。なければ相談を)

 

Aさんの場合は役所の福祉課へ電話しケアマネを変更したい旨と、新しい事業所の受け入れ許可をもらっていることを説明。
その際に「今まで対応してもらっていたケアマネさんに、変更依頼があったことをお伝えする時は角が立たないようにお願いします」と依頼していました。

すると電話担当者さんは
「前任の方には施設申し込みをした事業所のケアマネに依頼変更することになったとお伝えしておきます。新しい担当者には同じことが起きないように、事前にお伺いした理由で変更になったと説明します。変更後に前任のケアマネさんにお会いするのは気まずいと思いますので、ケアマネ間で引継ぎを行ってもらいますね」

とお話がありAさんはとても安堵されていました。

 

5.新しいケアマネと顔合わせ、問題なければ契約

 

実際に新しい方とお会いしてみて、前任の方の際に感じていた不安は払しょくされそうかの見極めをして下さい。実際にお話ししてみないと分からない事も多いです。

ケアマネ間で情報の引継ぎは行われますが、細かい部分はもう一度説明が必要です。
また、変更後はサービス担当者会議の開催が必要となってきます。

 

Aさんは新しいケアマネへの委託を依頼しました。
なぜケアマネを変更するのかを義両親に説明する際は、Aさんの希望にて訪問看護師から説明するとすんなりとご理解していただけました。

 

 

変更後のAさんは

Aさん
Aさん

前任の方には責められているような事しか言われませんでしたが、新しい方に変更となってからは、よくここまで一人で頑張ってきたねと言われ救われた気がします。相談もしやすく、思い切って変更を依頼して良かったです。

 

ケアマネ変更は悪ではありません。必ずしも合う・合わないは出てきます。
もし、モヤモヤを抱えている方がいたら抱え込まずに是非一度相談をしてみて下さい。

 

・市区町村の介護・福祉課相談窓口
・地域包括支援センター
・ケアマネが所属する居宅介護支援事業所(担当者のみ変更したい場合)
・入院中であればケースワーカーにまず相談するのも手です
 
 
 ~変更時の5つのステップ~

1.なぜ変更したいと思ったのか簡潔に具体的にまとめておく

2.事業所ごと変更するのか、事業所は変更せず担当者だけ変更したいのかを決める

3.変更したい事業所があれば情報収集や打診

4.ケアマネを紹介してもらった所へ変更したい旨を伝える

5.新しいケアマネと顔合わせをし、問題なければ契約へ

 

※新しい事業所に変更を決めたとしても、引継ぎに時間がかかったり、1からの関係性作りや状況説明・契約のし直しなどの手間もかかってきます。
せっかく変更しても老人ホーム入所などで、入居先のケアマネに変更となる事が多いため、その辺も踏まえて変更のタイミング等検討してみて下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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