訪問看護で経験が少なくても働いていけるのか?
と不安を抱える人が多いと思います。
そこで、私が実際に働いてみて感じているリアルをお伝えできたらと思います。
少しでも参考になれば幸いです!
結論から言いますと…
私がそう思う4つの理由として
1.すぐに相談ができる。慣れるまでは先輩と同行訪問
慣れるまではもちろん先輩と同行訪問しますが、その後は一人で訪問することが多いです。実際私も入職したては
「1人で対応できるかな、何か見落とさないかな、何か起こったらどうしよう」と不安が大きかったです。
しかし、私の働いている所では、1人1人iPadと携帯が支給されます。
iPadには病棟と同じようにカルテ、バイタルサインや症状経過をリアルタイムで、職員全員に共有できます。
また、毎回同じ職員だけが利用者の所に行くわけではなく、
ステーションの全員が何かあった時に対応できるようにするため、全員が一度は訪問を行い利用者把握を行っています。
よって、何か少しでも判断に迷う場合や、いつもと違う事が起きたとしてもすぐに相談できるため、過度な心配はありません。
「1人での訪問だが、ステーション全体で一人一人の利用者やご家族を支えています」
2.色んな年代の意見・関わりが必要
病院勤務では
「~の病気の~の治療をしている〇〇さん」
と捉えていることが多くないでしょうか?私もそうでした。
しかし、在宅では病気が中心ではなく
生活が第一。
これまでどういう生き方をしてきたのか?
どんな生活をしているのか?
今後どうしていきたい?
を一人一人じっくりと向き合い、本人とご家族が望む生活を続けていくにはどうしたら良いかをつねに考えて関わっていく必要があります。
在宅にははっきりとした正解はありません。
だからこそ、色んな年代の意見や関わりが必要だと考えます。
在宅では対象者の家におじゃまさせてもらい、関係性を築いていくため
より親密性が深くなっていきます。
ひと対ひとの関わりですから、
「この人には悩みを打ち明けてみよう。この人はこんな所まで気が付いてくれるのね、男性は苦手だから女性の看護師がいい。反対に男性の看護師の方が気を使わなくてありがたい」などなど出てきます。
実際私も「孫やひ孫と歳が近い人が来てくれると元気が出る。あなたが来てくれると嬉しい。気楽に話せるからありがたいよ」などと言って下さる方もいらっしゃいます。
訪問看護は人材=商品です。
よって、様々な年代の考え方、視点の違いがより個別性のある関わりや気づきを生み出します。
=対象者の望む質の良いサービスが提供できることに繋がると考えます。
3.知識・技術の更新は病棟にいても同じ
経験が少ないうえで一番の気がかりとしては、知識・技術面だと思います。
実際に訪問看護利用者は疾患や病態・年齢層も幅広いため、都度知識の更新は必須です。また、1人で訪問することが多いため、緊急時に対処するスキルも身に着けていかなければなりません。
ここまでお伝えすると「やっぱり無理じゃん」と思われる方もいるかと思いますが、そうではありません。
看護師をしていても全部の科を網羅している方って見たことがありますか?
私は見たことがありません。
私の職場でも40~50代の方が多いですが、経験している科はせいぜい3科程度です。
どんなに経験年数がある看護師でも、在宅の世界では初めてのケースが必ずあります。経験したことのない看護技術・疾患や治療に出会った場合は都度ステーションで勉強や練習を行っています。
例えば、指示を出している病院に分からないことは必ず質問・技術の確認を行い、指示元の病院とステーションでの技術の差を出さないように、日々アップデートを行っております。
これって病院で働いていたとしても日々の知識や技術のアップデートは同じですよね。
訪問看護では1人で対応することが多いため、少しでも技術面に不安がある場合は、徹底的に私は先輩に同行訪問してもらっております。
当たり前ですが、分からないことを分からないままにしないことが一番重要です。
現在は若い看護師育成のためのカリキュラムが整ってきていたり、理学療法士や薬剤師などの多職種を踏まえて勉強会を行っていたりもしております。
よって経験年数の少なかった私でも、訪問看護で働くことが出来ています。
4.体力勝負なため
病院では電動ベッドや介護用トイレなどの看護しやすい環境が整っています。
しかし、在宅では必ずしもそうではありません。
・家の様式によりベッドが壁付けされており、全介助の方でも一方向からしか介助ができない。
→体位変換・頭元への引き上げが本当に大変です!!
・スペースが狭くトイレや入浴介助が大変。
・訪問していたら転倒しており、ベッドまで一人で抱えて臥床させる。
・基本1人での訪問のため、洗髪や全身清拭、入浴介助等を準備から終わりまで時間内に終わらせないといけない。
・何より真夏の訪問移動、入浴介助は灼熱(ご高齢のご自宅はクーラーが無い所が多いです)
・夜間の電話当番は深夜の呼び出しが立て続けにあると、1人で朝まで出ずっぱりなこともあり。
などなど本当に体力を使うことが多いです!
一緒に働いている職員から若い人の力があるとありがたいとよく言われます!
2.様々な年代の考え方や視点の違いが、より個別性のある関わりや気づきを生み出す。
3.どんなに経験年数があっても在宅では初めてのケースが必ずある。
知識や技術のアップデートはステーション全体で日々情報共有や勉強会がある。
4.体力勝負な面もあるため、若手の力が必要となる。
これらの事から、20代でも訪問看護は早くない!むしろ若い人材は必須なのではないかと考えます。
在宅看護には正解がないからこそ、おもしろい分野だと思っています。
若い方の訪問看護師がもっともっと増えてくれると嬉しいです!
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